TOP> 吉野杉の経年変化
自然素材である無垢の杉は、時を経るに従ってその色合いを変化させます。
時間によるこの変化は、「経年変化」と呼ばれます。
経年変化の原因になるのは、主に紫外線による日焼けや酸化などです。
杉に限らず多くの無垢材は、経年変化によって黄みや赤みを増し、より濃いめの色合いへと変わっていきます。
杉の場合は、他の無垢材に比べてもともと少し赤みの強い樹種ですが、その色が少しずつ濃くなっていくイメージです。
下の写真は、室内に置いた杉の幅接ぎ板の一部に紙を貼り、紫外線を当たらないようにした状態で、約3年が経過したもの。
白い点線より上の部分が、紫外線が当たっていなかったところ、
下の部分が、3年ほど紫外線に晒されていたところです。
上部は製材時からほとんど色を変えていませんが、下部は全体的に黄みが強くなり、色が多少濃くなっていることがわかります。
無垢のフローリング、特に杉のフローリングは、他の樹種に比べて柔らかく足ざわりが良い反面、
「傷がつきやすい」という特徴も持っています。
しかし、仮に傷がついたとしても、一枚板の無垢材では複合フローリングのように基材が見えることがないため、
使い続けるうちに色が馴染み、傷が気にならなくなることが多いようです。
そして、傷つきやすさというデメリット以上に、
夏涼しく冬暖かく過ごせる調湿作用、さわやかな自然の香り、心地よい肌触りなど、
無垢の杉は多くのメリットを持っています。
無垢フローリングに残る傷は、その家で暮らす人々の生活の証であると言い換えることもできるかもしれません。
住まいは多くの人にとって一生に一度の大きな買い物であり、自分や大切な家族が毎日を過ごす場所です。
健康に、安全に、心地よく暮らせる場所となるように。
安心して使える国産の無垢の杉、とりわけブランド材として名高い吉野の杉を、ぜひ大切な住まいの材料に加えていただければと思います。